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外食業で技術・人文知識・国際業務のビザは取れる?
2022.4.13
さて、よくご相談を受けるケースとして、
飲食店の従業員(正社員)として雇いたい人がいるのだけど、ビザ取れますか?というものがあります。
オーダー取り、調理、配達といった、いわゆる飲食店従業員(フルタイムの正社員)としての仕事が許容されるビザは、主に以下のとおりです。
- ①日本人配偶者等
- ②永住者
- ③永住者の配偶者等
- ④定住者
- ⑤特定活動46号
- ⑥特定技能1号(外食)
①~④はそもそも、なんら就労時間や業務内容(日本人と同様に労基法上の制限はあり)に制限がないため、日本における貴重な労働力となっている側面もあります。
⑤は比較的新しい制度ですが、たとえば日本の4年制大学を卒業し、N1も取得しているという場合に、許容されるビザです。しかし、外国人で日本の大学卒兼N1となると、かなり高い能力を有するのも事実で、飲食店がいち従業員としてそのような人を採用するとなると、本人は引く手あまたというところもあり、なかなか採用に至るのは難しいところもあります。
⑥は、現時点において、外食業の正社員従業員に最もマッチしているビザです。もっとも、現状では、滞在期間5年が上限なため(永住申請もできない)、今後の動向に注視する必要があるビザといえます。
いわゆる事務職として雇いたいということで、外食業において、技術・人文知識・国際業務(いわゆるホワイトカラーのための就労ビザ)を取得することは可能なのか?
これは、正直に申し上げて、かなり厳しいもの(取得の難易度は高いといえる)があります。というのも、仮に、個人で小規模な中華料理店(1店舗)を経営しているというケースで、そこに、事務職として人を雇用するという場合、実際は、事務職は必要ではなく、現場で調理などを行うのではないか?という疑義が生じやすいからです。
現業の従業員として雇うのに、技術・人文知識・国際業務の業務内容で申請してしまうと、当然、虚偽申請と言わざるを得ませんし、本当に事務職で雇うとしても、なかなか信用を得られにくい部分があるのも事実です。
当事務所では、外食業で、技術・人文知識・国際業務のビザの許可を得たこともあります。ただし、当該外食業の法人様は、東京都内に多店舗展開している全国でも有名な会社様で、売上もかなり高く、またベトナムへの進出も実際に着手しているという状況であるため、外国人の事務職の従業員が実際に必要であるという点で、許可が得られたものと分析しています。
つまり、会社としての規模感が大きい(複数の店舗を運営している等)、事務職として外国人を雇う必要性が高いこと。このようなプラスの複合的要素により、技術・人文知識・国際業務のビザが認められたとも言えます。
ですので、現行制度で、しっくりくるという意味では、現場に立つ人は、⑥特定技能1号(外食)、事務職については、技術・人文知識・国際業務という棲み分けを意識することが重要で、行政書士としては、その棲み分けを意識しつつ、それぞれ、まっとうに申請するという姿勢が求められます。