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「日本人の配偶者等」ビザの理由書の書き方
2022.8.21
日本人の配偶者等ビザを申請する際、許可されるために特に重要なポイントは以下の3つです。
- 婚姻の信ぴょう性
- 同居の有無
- 日本で結婚生活を送るために充分な収入があるか
1.婚姻の信ぴょう性を理由書でどう証明するか
真摯な双方の合意に基づく結婚である(いわゆる偽装結婚ではない)と入管にきちんと評価してもらう必要があります。
そのためには、以下の点をポイントとして、文章を作成するのが良いでしょう。
POINT1 最初に出会った日、出会った場所、シチュエーションを具体的な地名・店名等も含めて記載する
例えば、「私と申請人は、友人の紹介で、知り合い、付き合いました」
これでは、具体性に欠け、説得力がありません。
(例文)「申請人はバイト先の上司であるAさんと仲が良いのですが、Aさんは、私が学生時代のサークルの先輩であり友人でもあります。先輩と連絡をしている時に、たまたま「職場に真面目でいい子がいる」という話になり、先輩が、せっかくだから3人で飲まないかと誘ってくれたのが、申請人と知り合うきっかけとなりました。そこで、私たち3人は、2020年4月に、吉祥寺駅近くの居酒屋『餃子のジョージ』で一緒に食事をし、申請人と初めて会いました」
といった感じで、より具体的な記載をこころがけましよう。余談ですが、いわゆる偽装結婚目的の場合、こちら側が詳細に交際経緯をヒアリングしても、具体的な日、地名、店名について口ごもることが多い傾向があります。婚姻の信ぴょう性を示す上で、具体性というのは非常に重要な要素です。
POINT2 申請人との意思疎通が円滑であること(連絡手段を含め)を記載
申請人が、外国語しか話せないということであれば、一体どうやって会話をしているのか?という疑義が生じます。また、交流の方法がLINEだとすれば、LINEのやりとりのスクリーンショット等を入管に提出し、密に交流が行われていることを示す関係から、理由書にも、そのような旨を記載するのがよいです。
(例文)「申請人は、ややかたことな部分があったり、変な日本語を使う時がありましたが、食事中、問題なく会話ができました。学校だけではなく、自分でも日本語の勉強をしていて、もうすぐN2の試験だから頑張りますと話してくれて、とても申請人に興味を持ちました。私は、また連絡したいからということで、その場で、LINEを交換しようと提案し、申請人は、こころよく応じてくれました。LINEを交換した日から、毎日、仕事の合間の時間や夜の時間帯にやりとりをし始めました」
POINT3 時系列に沿い、実際にデートをした日、場所などを多く列挙し、徐々に交際が深まっていく様子を記載する
「それからデートを何回かして、結婚することになりました」
やはり、これくらいの記載では物足りません。
(例文)「2020年5月末に、私は、申請人と、直接また会って話したいと思い、大塚で会うことになりました。お店は、大塚駅南口の『小提灯』という大衆的な居酒屋です。この時、私たちは、お互いのことをより詳しく話し合い、友達よりももう一段階上の親しさになったと実感しました。2020年8月半ば頃、申請人は、私が住んでいる沿線に引越しをしてきました。このため、今迄よりもお互いの家の距離がかなり近くなりました。申請人は、お酒はたしなむ程度なのですが、私が居酒屋に行って話すのが好きなので、いつもつきあってくれます。私たちは、引越し直後に、申請人の家の近くの焼鳥屋「鳥卑俗」(京成高砂駅)で飲み、その日から、自然と、正式に恋人として付き合う関係になりました。2020年8月30日は、板橋区の花火大会に、申請人を連れて行きました。珍しく、申請人がお酒を飲んでいて、すごく楽しそうにしていたのが、私にとっては印象的であり、嬉しくもありました。その後も、私の仕事の休みの日(特に土曜日を中心)に週一くらいのペースで直接会っていました。前述のとおり、申請人はお酒をあまり飲まないにも関わらず、私と居酒屋に行くのを楽しんでくれました」
POINT4 最終的に結婚を決断した経緯を詳細に書く
(例文)「2021年4月3日は、私の誕生日だったのですが、その日は、日暮里の中華ダイニングバー『四川の視線』に二人で行きました。店で食事を終えて二人で歩いている時、申請人がふと「一緒に生活できたらいいな」と言いました。私自身、申請人と結婚することは、徐々に意識し始めていたのですが、タイミングが来れば、年内くらいかなという感じで、のんびりと考えていたところもありました。しかし、申請人がふと今後のことを意識した言葉を言ったので、私は、申請人の気持ちを受け、俄然、結婚への意識が高まり、結婚へ向けて準備をしようと心に決めました」
POINT5 お互いが好きなところ、プレゼントのやりとり、お互いの呼び名についても説明して、補強する
これは、交際のリアリティを伝えるために、結構重要なポイントです。結局のところ、恋人関係であれば、ごくごく普通のこと、日常について説明するような感覚です。些末な事柄の方が、かえって説得力がある場合もあります。
(例文)「私は、申請人の外見ももちろん好きなのですが、日本語など、勉強したいと思うことに対して、とても熱心であるところに魅力を感じています。また、申請人が私に質問してくる日本語のことや、彼女の考え方などは、日本人の私からするととても新鮮です。私と共通しているところと、私とはまた違う考え方をするところが混在しているところに、私は居心地のよさと愛しさを感じている次第です。一方、申請人は、私が申請人から質問されたことをネットで調べて答えたり、いつも優しく接してくれるところが好きで、話していて安心できるところに幸せを感じると言ってくれます。私は、申請人を愛称でシャンちゃんと呼び、申請人は私をたろちゃんと呼んでいます。私は、申請人からプレゼントとしてiPhoneのケースをもらったことがあります。私は、申請人に特別なプレゼントをしたことはないのですが、申請人は甘いものが好きなので、デザートをよく申請人に買ってあげたりします。一度、原宿でクレープを買って、持ち帰って食べようとしたら、暑かったために、中身がどろどろになってしまっていたこともありますが、これも二人にとっていい思い出の一つです」
2.同居の有無について
同居(予定含む)しているかどうかは、審査に影響が及びます。すでに同居しているのであれば、必ず、同居している旨も記載しましょう(認定申請ではなく、日本にすでに住んでいるのあれば、同居の実態を調査に来る場合もままあります)。※なお、仕事の都合で同居ができないなど(単身赴任など)事情がある場合には、その事情も説明しましょう。
(例文)「そして、2021年9月28日から、東京都葛飾区柴又○-○-○フーテンタイガーマンション103で同居生活を始め、2021年12月1日に、葛飾区役所へ婚姻届を提出し、私たちは晴れて夫婦となることができました(二人とも初婚です)。二人での生活はとても新鮮でもあり、落ち着くものでもあり、私たちは、今、とても幸せを感じております」
3.日本で結婚生活を送るために充分な収入があるか
この点も、非常に重要です。下記の例は、申請人(妻)が無職で、日本人の夫がサラリーマンである場合の記入例となります。
(例文)「私は、2014年4月1日から現在まで「株式会社DEJIMA」(東京都豊島区南大塚1-31-8-203)で、仕事をしております。 直近の年間給与収入は、5,651,300円です。 質素ではありますが、長年、安定した生活を送ってまいりました。私自身仕事が忙しく、普段、贅沢もしないようにしておりますので、申請人との生活費用としては、今後、充分に余裕がある状況です。 住まいは、東京都葛飾区柴又○-○-○フーテンタイガーマンション103です。家賃は、94,000円で、間取りは3DKです。今後、家族として生活する上で充分な広さがありますし、家賃も収入とのバランスからすると、大変安い物件です」
いわば二人のラブストーリーを、具体的な事実をふんだんに取り入れながら書面に落とし込むのが、「日本人配偶者等」ビザ申請の許可の確率を高めることに繋がります。